立退料

立退料事件に関する当事務所の特徴

立退料事件に関する
当事務所の特徴

立退料をめぐる訴訟は、まさに弁護士と不動産鑑定士が協力して行う事件の代表的な類型です。
立退料事件は、基本的に営業用(事務所・店舗など)の建物を対象する明渡請求事件でありますが、当然ながら立退料の算定が必要になります。 立退料の算定式は借家権価格+営業補償+得意先損失補償(逸失利益)+移転費⽤等といった法律には規定のないものであり、 弁護士では算定・評価は難しく、不動産鑑定士による評価が必要になります。 もっとも、その前提として弁護士による適正な事実認定と法律解釈が必要になります。 弁護士と不動産鑑定士が協力してはじめて依頼者の主張に基づく事件処理を進めることができます。 通常は、法律事務所と鑑定事務所は別であるため致し方ないことかもしれませんが、専門家相互間で意思疎通がうまくいっておらず、 結果的に依頼者の利益を毀損しているケースも見受けられます。
当事務所は、ご相談から一貫して弁護士兼不動産鑑定士が担当し、依頼者の利益の最大化に努めて参ります。

よくいただく質問

  • Q 立退料の評価について、鑑定事務所に依頼しようかと思っていますが、正当事由及びその判断まで鑑定⼠が⾏うことができるのでしょうか?
  • A 土地明渡請求にせよ、建物明渡請求にせよ、賃借人を立ち退かせるには、正当事由(借地借家法6条、28条)が必要です。 そして、立退料の提供はあくまで正当事由を補完するものであって、それのみで正当事由を具備させるものではありません。 正当事由がなければいくら高額の立退料の提供をしても明渡請求は認められません。つまり、そもそも立退料の評価をするか否かの前提として、 正当事由に関する法律解釈が必要になりますが、これは鑑定事務所では対応が難しいと思いますので、まずは法律事務所にご相談いただければと思います。
  • Q テナントに建物から立ち退いてもらうために、立退料はある程度覚悟しております。 その評価について、法律事務所では対応できないように思えますが、この場合どうしたらよいでしょうか?
  • A 既に法律事務所に依頼されている場合は、別途、鑑定事務所に評価をお願いすることになります。 なお、その依頼に際し、前提となる事実関係、及びそれを踏まえた依頼人の立場からの法的主張を鑑定事務所に正確にお伝えしないと、 依頼の趣旨に合わない評価(場合によっては不利な立退料)になってしまうおそれがありますので、ご留意頂ければと思います。
  • Q 賃貸物件に住んでいます。契約期間は2年で、2年ごとに更新しています(定期借家契約ではありません。)。 先日、賃貸人から、建物が老朽化しているので出て行って欲しいと言われましたが、できれば出ていきたくありません。 出ていく必要があるのでしょうか。
  • A まず前提として、普通借家契約の場合、正当事由がなければ建物を明渡す必要はありません。しかし、貸主が立退料の提供を申し出た場合は、正当事由が具備され、 建物から退去せざるを得ない状況になる可能性があります。老朽化という状態が正当事由の要因として考慮され(最高裁判例平成元年7月4日)、 結論として明渡を認めた事案もあります。賃貸人から明渡請求をされた場合、その立退料の要否及びその額が適正かどうかが争点になります。
  • Q 立退料なく、建物明渡請求が認められたケースはあるのでしょうか?
  • A あります。上記のとおり、立退料はあくまで正当事由の補完要素に過ぎませんので、立退料の提供の必要なく、正当事由が具備されたと判断されるケースもあります。 例えば、東京地判平成25年1月23日の事案では、耐震診断の総合評価が0.47の建物につき、「現状の耐震性能を前提にこれを現行法の水準にまで高める工事をすることは 建物所有者として合理性を有し、これに要する費用と今後の建物から得られる収益の対比を「建物の現況」(借地借家法28条)の一部として正当事由の一要素として 判断すべきである」として、立退料の提供なくして建物明渡請求が認容されました。
  • Q ビルの1階を店舗として賃借しております。近々ビルが改修に入るとの連絡が賃貸人から来ました。立退料の金額次第では、退去しても良いと考えています。 賃貸人からは賃料の3か月分を提示されていますが、これは妥当な金額なのでしょうか。
  • A 立退料の算定方法について、決まった計算式があるわけではありませんが、概ね、立退料=借家権価格+営業補償+得意先損失補償(逸失利益)+移転費⽤等といったものをベースにしているケースが多いです。 立退料として3カ月分が妥当か否かは、上記のとおり、そもそも正当事由がどの程度あるのかにもよりますので一概にはいえません。 一度当事務所にご相談いただければと思います。
  • Q 立退料は、事業用に借りていた場合と居住用で借りていた場合で相場に違いはありますか。
  • A 事業用の立退料の場合は、賃料差額が高額になることが多く、また上記の立退料の算定式のように営業補償に関するものも含まれますので、居住用と比較し、一般的に立退料が高額になるケースが多いと思います。 「公共⽤地の取得に伴う損失補償基準」昭和37 年10 ⽉12 ⽇⽤地対策連絡会決定(最近改正令和2年1 ⽉31 ⽇)が参考になります。 もっとも、これも単純な費用の積み上げのみで算定できるものではなく、法的に事案を分析する必要がありますので、事前に不動産に強い法律事務所にご相談いただければと思います。
  • Q 営業補償とは何でしょうか?
  • A 営業減収を補填するものでありケースによって一概にはいえませんが、休業期間中の逸失利益などがその内容になります。 なお、 公共用地の取得に伴う損失補償基準細則第28第2項に「経営効率が低下することにより通常生ずる損失額は、一商品当たりの販売費、単位生産物当たりの生産費等の増加及び企業者報酬の減少並びに従前の営業内容及び規模縮小の程度等を勘案して 縮小部分に相当する従前の収益又は所得相当額の2年分以内で適当と認める額とする。」とあるのが参考になります。
  • Q 移転補償とは何でしょうか?
  • A 営業を移転するために必要な費用でありケースによって一概にはいえませんが、主に、以下のようなものです。
    ①造作費⽤(例えば、移転先の店舗等でダクト等の内装⼯事に要する費⽤)
    ②引越費⽤
    ③仲介⼿数料等
  • Q 賃貸人からの退去要求に応じなかった場合、今後どのようなことになることが予想されますか。
  • A 近い将来、裁判所から建物明渡請求を求める訴状又は調停申立書が届く可能性もあると考えられます。 その場合、賃貸人が用意した立退料の評価書が証拠として提出されるのが通例ですので、賃借人としてもそれに反論する必要があります。 迂闊に反論すると後の訴訟で不利になってしまう(低額な立退料になってしまう)可能性が高いので、反論をする前に、是非当事務所にご相談いただければと思います。
  • Q ⽴退料(借家権価格及び補償料)は鑑定評価書として発⾏できるのでしょうか?
  • A 不動産鑑定評価書として発⾏するのは難しいので、価格調査報告書又は意見書として発行させていただきます。 不動産鑑定評価は、原則として、多数の市場参加者を前提とする「正常価格」を求めることになりますが、借家権価格あるいは⽴退料は、賃貸借当事者間での個別性が強く、必ずしも合理的な市場が形成しているわけではないため、 正常価格として求めることが難しいからです。もっとも、価格調査報告書の形式であっても、不動産鑑定士が作成することに変わりはなく、裁判上の証拠としての価値に何ら問題はありませんので、ご心配はいりません。
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